私がバイクに興味を持ったのは1920代始め、妹を訪ねてきた青年が乗っていた INDIANにまたがった時です。初めて走ったのは友達のサイドカーに乗せてもらった
1924年。最初はこわかったけど、そのうちすっかり楽しくなりました。
時は過ぎ、主人がINDIAN CHIEFを買い、私は再びサイドカーに乗って楽しんでいました。あまりにも夢中になっていたのをみて、主人が、きっと私はいいライダーになるだろうと言い始めたのです。
女性ライダーなど、聞いたこともありません。私がその頃住んでいた ロチェスターやニューヨークでは尚更です。私は非常に困惑しました。
もう一つの問題は、私自身の評判です。私はイーストマン・コダック社でそれなりの地位に就いており、品位ある女性と思われていました。私が自分でバイクを乗り回していると知ったら、会社の人々はどう思うだろう?
しかし私がバイクに乗っていることはすぐに会社の人々の知るところとなりました。毎週月曜日の朝には決まって、「週末はどこで楽し んできたの?」と尋ねられるようになりました。私の評判が悪くなることはなかったのです。
後に私は、アメリカの先進的なバイク雑誌の編集者となり、また暇さえあれば INDIAN(私は3台もってました)に、事故にあうこともなく乗っていました。1940年
代末、女性ライダーは徐々に増えてきて、バイクへの関心も高まりつつありました。
私は女性ライダーのために、お互いに意見を言い合ったりアドバイスし合ったりできるような世界的な組織が必要であると確信していました。これが、WIMA設立の第一ステップでした。
周囲の人々は実現不可能だと言いました。でも私の楽しむ事への貪欲さと、固い決意がそれを実現させました。
多くの仲間達と素晴らしい友達の協力で WIMAは現在(1952年)世界でもっとも大きな女性ライダー組織となりました。これが WIMAの始まりです。
※1952年に発行された[BUZZZZ]というアメリカのオートバイ雑誌に掲載された彼女の自伝より抜粋