Women's International Motorcycle Association(国際女性ライダー連盟)を略してWIMA(ウイマ)と呼ばれています。1950年から続く、女性ライダーの親善・交流・進歩を目的とした国際組織で、この理念に賛同した約40カ国の会員がそれぞれの国で活動を続けています。

本部は特に設けず、WIMAインターナショナルのホームページを中心にインターネットを通じて加盟支部が繋がっており、国際的には年に1度(2回の年もあり)の国際ミーティング(ラリー)で集まり、国内でも年2回のミーティングなどの機会を通して交流しています。一般的なツーリンググループとは少し違うので、想像しにくいかも知れませんが、宗教的・政治的背景は一切ありません。

WIMAは、前述の理念を共有した上で、各支部が独自の活動を展開しています。ライダー間の交流はもちろんのこと、各支部およびWIMA全体で社会貢献活動(チャリティ活動など)も行っています。 国際・国内ミーティングは、有志が参加するイベントの1つで、海外ツーリングを目的とした団体ではなく、WIMAの理念を理解した会員のバイクライフそのものが日々の活動だと言えます。そのため、日本に居るどなたでも日本支部に参加できます。

2010年5月1日 静岡県 日本大会イベントにて 撮影:堀之内稔氏

WIMAの誕生

現在でも、「周囲に女性ライダーがいない」と嘆く女性の声を耳にしますが・・
WIMAは第2次大戦が終わって5年経った1950年、一人の アメリカ人女性 によって創設されました。
当時はアメリカでもオートバイは反体制や不良の象徴。
その中で、さらに極少数の女性が偏見に負けずにバイクを楽しむには、かなりの勇気を必要としたでしょう。

彼女は、自らの経験から、女性ライダーが自立し、協力し合いながら進歩していくための国際組織が必要だと思い立ちました。
つまり女性ライダーが女性ライダーをサポートできるような国際組織を夢見たのです。
今のようにインターネットも無く、雑誌の文通欄で連絡を取り合う時代としては、人々の理解を超えるほどの大胆な発想でした。

当時、彼女の発想は「誰もが実現不可能だと言った」と手記に書かれています。
それを表すように、やっと集まった設立時の会員は、わずかに4人でした。
ところが、彼女があげた声は、同じように少数派という境遇で悩んでいた各国の女性達に勇気と力を与え、
WIMAは大西洋を隔てたヨーロッパに、そして南半球のオーストラリアへと瞬く間に広がっていきました。
そして今、パイオニアの精神は、国境や海を越えて女性ライダーを結びつけ、会員たちはFacebookなどを通じて盛んに交流しています。

女性の協力と進歩

WIMAは、女性ライダー同士が交流し、互いに協力し合って成長・進歩して行こうという精神を大切にしています。
創始者ルイーズは、 One for All,All for One という言葉(出典は三銃士)を会員に遺しています。
この言葉は、1人はみんなのために役立つ気持ちを、そして、みんなは1人をサポートする気持ちを持った強いチームワークを意味しています。
女性ライダーが非常に少ない時代を生きた、彼女の願いにも似た基本精神でした。
女性ライダーが増加した現在でも、この基本精神は、WIMAの自立・奉仕の精神に生かされています。