国際ラリー International Rally」カテゴリーアーカイブ

フランス・インターナショナルラリー2023

世界各国の女性ライダーがフランスで集う
今年のWIMAインターナショナルラリーは、フレンチアルプスで開催されました。
第74回となる今回のラリーでは、世界各国から230名を超えるメンバーが集まり、
ウェルカム/フェアウェルパーティー、パレード、ツーリング、
その他開催国独自のイベントを一緒に楽しみます。

日本から参加するにはどうするの?
申し込みは半年以上前に始まります。ラリーに参加する場合、航空券、レンタルバイク、
ルートの検討など、各自で準備を始めます。最初はわからないことだらけですが、
WIMAでは、メンバーに質問したり相談したりすることができます。
今回、筆者はイギリスから出発し、フランスを縦断してきました。

いざ、フレンチアルプスへ!
今回の開催地はフランス南部のアルプス山脈。
イギリスを出発し、フェリーでドーバー海峡を渡り南下する約1,400kmの旅です。
フェリーでは、至れり尽くせりの日本とは違い、自分でバイクを固定しなければなりません。
ほかのライダーの様子を見ながら奮闘していると、やり方を教えてくれました。
フランスに入ると左側通行から右側通行に変わります。
これだけは間違えると事故につながるため、常に意識しておく必要があります。
開催地まで2泊3日のルートは大まかに決めていましたが、寄り道したくなるのがライダーの常。
一般道を利用して、シャンパーニュ地方ではブドウ畑に圧倒されながら、
小さな町や村を抜けて、バイクを走らせました。ルートの前半は直線道路が多く、
北海道の「天に続く道」や「ジェットコースターの路」の長距離バージョンという感じ、
中盤は国立公園内のなだらかなカーブが続き、リズムよく楽しめる道、
最後はアルプス山脈がドーンと現れ、ヘアピンカーブが連続するアルプスを登っていくという、
フルコースでした。アルプス山脈が目前に迫ってきたときには、ヘルメットの中で
「すごーい!」「アメージング!」、ありとあらゆる感動の言葉が口から出てきました。

ラリーのスタート!ウクライナからもメンバーが参加
夕方、会場に到着すると、4年ぶりに会う懐かしい友人の顔があちこちに。
夜のウェルカムパーティーでは、長距離の走行でお尻が痛いのは私だけではないようで、
疲れているにもかかわらず、椅子に座るよりも立っていたいというメンバーもいました。
ラリーにはウクライナ支部からアレーナとイリーナの2人も参加しました。
2,600kmを走ってきたアレーナは普段キーウの地下に身を潜めて生活しています。
今回の参加は日常になった戦争から一息つくため、
そしてWIMAメンバーの支援に感謝の気持ちを伝えるために来たと言います。
彼女からもらったステッカーには「In God we believe. In WIMA trust!!!
(神を信じ、WIMAを信頼する!!!)」と書かれていました。ラリー期間中は、
フランス支部のメンバーのお薦めルートのツーリングに出かける人もいれば、
会場でのんびり過ごす人もいます。私は、近場のツーリング、蒸留所見学、全員でのパレードのほか、
世界のツーリングやチャリティー活動などをテーマとした、
いくつかのプレゼンテーションに参加しました。

イランの勇敢な女性たち
プレゼンテーションの一つは、中東各国を何度もバイクで訪問しているベルギー人の写真家、
執筆家、教師、グラフィックデザイナー、ライダーなど、
様々な肩書を持つトルゥイによるイランについてのお話でした。トルゥイは、これまでに出会った
「男性優位の社会における女性ライダー」について、執筆や講演活動をしています。
今回は、彼女の友人でもあるイランの女性たちの話を紹介してくれました。
イランでは女性は「ヒジャブ」と呼ばれる布で頭や身体を覆うことが義務付けられています。
また、女性が免許を取得することは法律で禁止されています。
そんな中で人としての権利を手に入れるために行動する勇敢な女性たちに彼女は出会ってきました。
ライダー、スタントライダー兼バイクインストラクター、サイクリンググループ、サーファー、
長距離バス運転手、トラック運転手、タクシー運転手などです。
彼女たちの実情を知ってもらいたいと、
ベルギーの雑誌や新聞にインタビュー記事を掲載してきました。しかし、
2022年9月にヒジャブの着用の仕方が不適切だとして警察に逮捕された女性が、
その3日後に急死した事件をきっかけに、大規模な抗議デモへと発展しました。結局、
多くのデモ参加者が逮捕され、死刑判決に至るケースが相次ぎ、デモは鎮静化してしまいました。
その間も、トルゥイは女性たちと連絡を取り続け、
このような状況下で記事を公開してよいかと尋ねましたが、
女性たちは一様に「こんな状況だからこそ公開してほしい」と答えました。
全国版の新聞にも執筆したトルゥイは、もうイランに戻ることができないかもしれないと言います。
WIMAのメンバーたちは、このプレゼンテーションに涙をこらえながら聞き入っていました。
私自身も、バイクを楽しめることがなんとありがたいことなのかと改めて感じました。
トルゥイは9月から10月にかけて日本をバイクで旅する予定です。
どこかで見かけたら、ぜひ声を掛けてください。

2024年はルーマニアとオーストラリアの2回開催
ラリーでは、刺激的で心を動かされる女性ライダーたちに出会うことができます。
新旧の友人たちと過ごした5日間は、瞬く間に過ぎ、それぞれに帰路につきます。
仕事があるため真っ直ぐに家を目指す人、
キャンプをしながら家までの旅を楽しむ人とさまざまですが、
私は、往路とは別のルートで2泊3日のツーリングを楽しみました。
全日程が晴れという幸運に恵まれ無事に旅を終えたところですが、
すでに来年開催されるルーマニアとオーストラリアで開催されるラリーが楽しみです。
今回のラリーのホストであるWIMAフランス支部、特にリーダーのヴィオレッテに感謝を表します。

文・写真:WIMA 日本支部及び Trui Hanoulle
http://www.wima.gr.jp/(WIMA 日本支部)
http://www.wimaworld.com/(WIMA インターナショナル)
https://truihanoulle.be/move-she-does/(トゥルイ·ハヌレ Move She Does)

2019 インターナショナルラリー in イングランド

2019 International Rally in GB

今年のインターナショナルラリーは、イングランドのピークディストリクト国立公園内で開催されました。1958年から毎年開催されているこのラリーは、世界各国からメンバーである女性ライダーが集まり、ウェルカム/フェアウェルパーティー、パレード、出し物大会、ツーリング、ディスコナイト、その他開催国独自のイベントを、一緒に楽しみます。1週間という期間がまたたく間に過ぎていきます。

今回の開催地、ピークディストリクト国立公園はツーリングには最高の環境です。イギリスの8月は1年で最も雨が多い時期で、ラリー期間中も雨に降られる日が多かったものの、晴れ間を見て楽しむことができました。

定番イベント以外に、今回はIAM Road Smartという英国の安全運転推進機関の女性インストラクターによる座学と路上での講習を受けることができました。担当してくださったのは白バイ歴30年という方で、短時間の講習でしたが、自分の運転を見直すいい機会になりました。また、ブルージョンという世界でも英国でのみ採れる天然石の洞窟も訪れました。

屋内イベントとして、Women Rider’s World Relay(WRWR)の創始者であるHayley Bellを迎えてプレゼンテーションがありました。WRWRとは、世界中の女性ライダーがバトンを渡しながら文字通りリレーで世界をつなぐというものです。オートバイ業界に、こんなにもバイクが好きな女性がいるということを認識してもらいたいという目的もあります。女性用のバイク用品がどのショップに行っても少ない、もしくはあったとしても、ピンク色や花模様というステレオタイプなデザインが多いというのは、世界共通の女性ライダーの嘆きなのです。昨年の8月末から始まった活動ですが、既に19,000名を超えるメンバーが参加しています。また、WIMAが支援するMJ Pikiについてのプレゼンテーションもありました。MJ Pikiは、女性ドライバーが運転するオートバイ救急車を提供する団体で、タンザニアを始めとするアフリカの発展途上国における女性の社会的地位の向上を目指し作られました。今年のラリーでは、募金に加えて、余っているプロテクターをWIMAメンバーが持ち寄り、MJ Pikiに届ける予定です。

2020年にはWIMAの70周年を記念するラリーがドイツで開催されます。どんな楽しみが待っているのやら!

2019キュラソー ラリー レポート

カリブ海に浮かぶオランダ領の島Curaçao(キュラソー)のWillemstadで開催された「Dushi WIMA rally “Curaçao 2019”」 に参加してきました。(Dushi=素晴らしい、美しい。)
キュラソーへはアメリカンエアーに乗り、行き:関空→ロサンジェルス→マイアミ→キュラソーと2日の旅、帰りは何と3日と待ち時間の長~いフライトとなりました。

大会プログラム

開催期間は4月21日(日)~27日(土)。11ヶ国から約80人が集合。
今回、事前に担当者とメールでのやり取りがあり、空港までの出迎え、ラリー前後の追加宿泊の予約、希望バイクの予約、その他希望オプション・イベントの予約など全て手配してくださいました。

21日(日)キュラソー到着後、リタのお迎えでBed&Bikeにチェクイン

1ルーム2段ベッド14人収容の部屋で、共同キッチン・冷蔵庫、共同シャワー。宿隣には朝食と飲み物がある小さなレストランがあります。(WIMA朝食は付いていません)
宿泊者用の貸出自転車はマウンテンバイクが主で、しかもシートがメチャ高く、残念ながら1度も乗ることができませんでした。

22日(月) オプション(O.P.)で乗馬に参加(その他のO.P.:MTB-trip、ダイビング、ハイキング)

迎えの車にam7:30乗り込み、早朝から海が一望に見渡せる小高い草原で,1時間乗馬を楽しむことができました。

夕方:Welcomeパーティ

会場は徒歩10分程のレストランを借り切って開催。その会場に数台のハーレーが店内に乗り込んできたのには驚きました!しかも足元は皆ハイヒール!
ディナーは各自メニューから前菜、メイン、デザートを選びます。夕暮れは早くあっという間に日が沈みました。食後、エストニアWIMA10th記念パーティのビデオが上映。家族ぐるみで楽しんでいる様子が伝わる映像でした。2020年夏のドイツWIMAラリーの紹介も引き続きありましたが、映像がうまく上映できず口頭での紹介のみとなりました。

23日(火)9:00~バイク&バスで島の西側ツアー

水着を装着し、日本から持参したシュノーケル・ライフジャケットを鞄に詰めてバスに乗り込みました。イグアナにも遭遇するなど、数か所観光しながら、カリブ海での水泳を楽しんできました。こんなに遠くまで透き通ったきれいな海を見たことがなく感動です!魚が泳いでいるのが丘からでも見てとれ、シュノーケルをつけると足元で魚が群れをなして泳いでいるのが見れ、泳ぎが苦手な私でも時間を忘れるほど楽しんできました。ランチは地元の給食担当おば様が作ってくださった食事が積まれた車から支給されます。鳥肉のカレーを頂きました。

PM5:00~PM6:00はHappy Hourと言って、街では飲み物がお得な料金で提供されています。従ってこの時間近くになるとみんな街に繰り出して宿はいつも静かです。

PM7:30~カリブ海のワークショップ教室で2nd Life(リサイクルアート)に参加(O.P.)

カリブ海で見つけた廃材を利用して、お土産品を作る教室に参加。最初に教わったのは「イメージすること」。ベースになる素材を選び、色付け、装飾を施し…何とかカリブ海のイメージを仕上げることができました!
(その他のO.P.:ダンス、ヘッドスカーフ、ドラムです)

24日(水)Scavenger Hunt

チームを作り、30問の指示に従い答えを写真、ビデオで提出。
例えば:オオムと一緒にチーム3人と写真を撮る。魚を釣るポーズのビデオを撮る。砂で城を作り写真を撮る。など皆から提出された写真、ビデオは後日、編集されて上映。
皆の撮った写真、ビデオがとても愉快でチームワークの良さが問われるゲームでした。

18:30~:night ride

WIMA以外のライダーも集まり、パトカー先導で夜の街を走行。
Happy Hourに合わせ宿の前は通行止めにしてお店が並びました。ハーレー軍団はけたたましく、バイクは皆カスタムしてあります。「島には同じデザインのバイクはない」と言われました。スタイルは主に半袖にチームマーク入り革ベスト。女性はピチピチのタイツのようなスパッツに踵のある靴。私1人、革の上下、革ブーツでいつものスタイルなのですが、浮いていたかも..。
※バイクはハーレースポーツスター1200を2日間(24日PM5:00~25日Pm5:00、27日)借り、バイクは宿で持ち帰りしてもらえて楽でした

25日(木)バイクパレード/バイク、スクーター、車、バス

全員WIMA CuraçaoTシャツを着用する事と指示が張り出されました。白バイを先頭に2列走行で街から郊外へと走り、直進、右折左折も優先で、ほぼ止まることなく走り続けました。スクーターにとっては距離が長かったのか次々とガスケツが現れ隅に寄って援助を待っていました。(重くて、ギアチェンジペダルがとても遠くて乗りづらいバイクでしたが、バイクを借りててよかったと思った瞬間でした)
昼は広場で前回同様、地元の給食担当の車が来てお弁当が支給されました。

18:00~Closing dinner:16:30

シャトルバスでレストランに移動。
通常Farewell Partyがラリー最終日(金)に行われますが、最終日の前日に音楽とダンスショーが楽しめるレストランに移動し、音楽とダンスと共にキュラソー料理の夕食に舌鼓を打ち、楽しみました。そのダンスはとてもセクシーでWIMAメンバーがダンサーの振りを真似して一緒に踊る等、大変盛り上がりました。

26日(金)ボートTrip / 9:45ボート乗り場集合

WIMAがチャーターしたボートに乗り込み、東側のカリブ海へ移動。
しばらく走ると澄み透る青い海に錨をおろし、一斉にカリブ海へジャンプ!! いろんな魚たちも一杯泳いでいてカリブ海を満喫!その間クルーたちは我々のために昼食の料理の準備と大忙し。5時間たっぷりカリブ海と料理を堪能することができました。日焼け止めをたっぷり塗っても、きつい日差しと照り返しで皆真っ赤に日焼けしていました。

PM5:00~/ Happy Hourに合わせてバーへ移動

Farewellドリンクパーティが始まりました。
楽しい時間はあっという間、お別れの挨拶や24日のHuntでの順位が発表され、我々は6チームの中で最下位。
それでもテーブルに並んだ賞品を選ぶことができました。デザートにWIMAメンバー手作りのケーキがふるまわれ、そのままKing`s Nigntに突入していきました。

27日(土)King’s Day ride に参加

King’s Dayはオランダ現国王の誕生日をお祝いする日で、街や人、全てがオレンジ色に染まり音楽やダンスなどでお祭り騒ぎになります。
11時ハーレー軍団と街はずれで集合し、ハーレーサウンドと共にベスパと一緒に走り周り、King’s Dayに華を添えてきました。

30日(火)にキュラソー空港に1人向かいチエックインの機械を操作していると、リタ、ジュン、リンダが見送りに駆けつけてくれました。なんでもリンダ(GB)は帰る日を1日間違えて記憶し、昨日乗るべき飛行機が出てしまった!との事。


私は5月2日関空到着後の税関検査でキュラソーからの帰国と分かったとたんスーツケースを開けさせられ、ヘルメットの中を調べ、ライフジャケット、革ジャンと取り出して厳密なチエックを受け、きれいにパッキングしたはずがクチャクチャに…(税関の検査官の仕事のメインは密輸や禁製品の摘発。私は怪しかったのかな)

❤素敵なカリブ海にすっかり魅せられ、次回はダイビングに挑戦したいな..!! 皆さんありがとうございました。

Report by Michiko

2018 インターナショナルラリー in フィンランド

2018 International Rally in Finland

恒例のWIMAのインターナショナルラリー(国際ミーティング)が、今年はフィンランドで開催されました。会場は、フィンランド南端、ヘルシンキから西へ約180kmの群島国立公園内の、大小のコテージとテントサイト、そしてサウナもある、バルト海に面したキャンプ場です。群島には約25,000の島があり、フェリーを使ってバイクで島から島へと渡ることができます。大型フェリーもあれば無料の動く橋のような小さなフェリーもあり、日本のしまなみ海道を拡大したような雰囲気です。

盛だくさんのラリー、でも過ごし方は自由

ラリー期間中のプログラムは様々なものが用意されていますが、参加はどれも自由なのがWIMA流で、自分のペースで楽しみます。
初日のウェルカムパーティーでは、フィンランド支部のメンバーが水兵さんに扮して出迎えてくれました。ウェルカムディナーを楽しみながら、久しぶりに顔を合わせたメンバーは大盛り上がりです。今回のプログラムは、安全運転指導員のライセンスを持つフィンランド支部メンバーによる安全運転講習、ムーミンワールドや旧市街の散策ツアー、ゲーム大会、木工クラフト体験、エア・ギターコンテスト、カラオケ大会、各国支部出し物大会、バーレスクのパフォーマンスとワークショップまで、バラエティーに富んでいます。他にも、地図とヒントを頼りにチェックポイントをバイクで巡るツーリング、そしてこのチェックポイントがすべて名所で、チャペル、電動バイク(Zero SR)の試乗ができるバイクショップ、元々は刑務所だった敷地を活用したモダンなアパートなど、どこも長居したくなる場所なのです。もちろん、自由にツーリングに出かけるメンバーもいます。
各国支部代表の会議は市役所の一室を借りて行われました。夜はDJが盛り上げるパーティーがあったり、ライブバンドがステージに上がったり、夜中まで楽しむメンバーもいます。WIMAフィンランド支部の設立25周年パーティーも行われました。
そして、ラリーでの最大の楽しみはパレードです。パレードでは、なんとWIMAのために信号がすべて青に!地元の方々には事前に告知されており、沿道ではたくさんの方が手を振ってくれます。やはり日本よりもバイクが社会に受け入れられていると感じます。最後は、フェアウェルパーティでお別れです。

フィンランドの夏

私たちが想像するフィンランドの夏といえば、涼しくて過ごしやすい気候ですが、なんと30度を超える真夏日が続きました。フィンランド人にとっても驚きの暑さだったようです。フィンランドでは、サマーハウスと呼ばれる、いわゆる別荘を6人に1人の割合で持っています。サマーハウスは湖畔にあることが多く、サウナに入り、湖でクールダウンし、BBQをしたり、読書をしたり、とにかく好きなようにリラックスして過ごすのです。日照時間が短く寒さが厳しい長い冬を過ごすフィンランド人にとって、深夜まで太陽が沈まない白夜が続く夏は、寝る時間を惜しんで太陽の恩恵を受ける時期なのです。人間だけでなく、野菜や果物もこの恩恵を受けて、色や味も凝縮されていて、これまで食べたことがないほど甘くて美味しいのです。まさに大自然と共に暮らしている人たちという印象を受けました。

2019年はキュラソーとイギリスの2回開催!

来年は、春にはオランダ領キュラソー、そして夏にはイギリスで、ラリーが開催されます。バイクで走りながらみる世界は、当然ながら普通の観光旅行とは違います。また、現地に一緒に楽しむ仲間がいるというのもWIMAならではです。百聞は一見に如かずですよ!

2017 インターナショナルラリー in エストニア

2017 International Rally in Estonia

WIMAではインターナショナルラリーと称するミーティングが年に1回開催され、世界中のメンバーが集まって親睦を深めます。
今年は、エストニアのヤネダという村でインターナショナルラリーが行われました。

会場に到着すると、エストニア支部のメンバーが歓迎してくれました。
初対面の海外メンバーとの初めての会話はとても緊張しましたが、これから各国支部のメンバーと交流できると思うと、とてもわくわくしました。
しばらくすると日本支部のメンバーが続々とやってきました。慣れない海外で顔なじみの日本支部メンバーと会えると、やはりほっとします。

1日目は、この日に到着するメンバーもいるため、フリーデーとなっていました。
この日は雨で、ツーリングに出かけたメンバーもいますが、屋内で開催されたゲームに参加したメンバーも多くいました。
各国支部のメンバー混合でチームを組み、いくつかのゲームに挑戦しました。
日本支部メンバーが入ったチームがゲームで優勝して、サングラスをゲットしました!このサングラスは翌日のタリン散策で、日差しから目を守るために活躍しました。
その夜はウェルカムパーティーが行われ、エストニアの料理やフォークダンスを楽しみました。
ラリー期間中は、毎晩ダンスやバンド演奏が企画されていて、夜遅くまで踊ったりお喋りしたりして過ごすことができました。

2日目は希望者向けにタリンへのガイド付きバスツアーが組まれました。
タリン歴史地区は世界遺産にも指定されており、赤い屋根と白い壁が青い空に映えて、とても美しい街でした。
バスツアーに参加しなかったメンバーは、ロシアとの国境の町ナルヴァへのツーリングを楽しんでいたようです。
このように、ラリー中はいろいろなプログラムが開催されますが参加は自由で、自分の好きなように過ごすことができます。

3日目には、トレジャーハンティングクイズが行われました。
クイズが書かれた用紙が配布され、各自バイクでチェックポイントを巡ってクイズの答えを探し出し、その正解数を競うイベントでした。
各国支部のメンバーと協力してクイズの答えを確かめたりして、打ち解ける良いきっかけとなりました。

夜にはエストニアの一般の女性ライダーを迎えて、様々な国での交通バイク事情についてのセミナーがありました。
日本支部の代表が、日本のバイクを取り巻く環境やライディングウェア、プロテクターについての発表をしました。
他には米国、英国、エストニアのメンバーが発表を行いました。最も驚いたのは、アルコールを少量摂取しても運転して良い国(州)があるということです。また、米国では州ごとに法律が異なり、旅行者にはとても複雑だと感じました。
その後は参加者との交流会が行われ、筆者は同年代の女性ライダー2人と知り合い、お互いの国について、そしてバイクについての話をたくさんしました。

4日目はフリーデーで、ハンドクラフトショップでエストニアのニットを買ったり、近場をツーリングしたりとのんびり過ごしました。
また、BMW の協力により、無料のライディングトレーニングや試乗会も開催されました。

5日目は、このラリーのメインイベントとも言えるであろう、パレードが行われました。
ラクヴェレ城まで、約50kmの道のりを14カ国から集まった196名のメンバーが隊列を組んで走る光景は、壮観でした。
町を通ると住民の方々が手を振って笑顔で歓迎してくれ、とても感動しました。
その夜は、とうとうお別れの時間。フェアウェルパーティーでは、互いに感謝を伝えたり、別れを惜しんだりしていました。
また、今回の素晴らしいラリーを作り上げてくれたエストニア支部のメンバーにも、皆が感謝を伝えました。

筆者は今回インターナショナルラリーへの参加は初めてでしたが、とても楽しくて離れがたい、素敵な時間でした。
行く前は、言語の壁・文化の違いなどから、うまくコミュニケーションがとれるかどうかを心配していました。
しかし、実際に他の支部のメンバーと会ってみると、それらの心配はお互い様で、こちらが笑顔で話しかければ相手も笑顔になり、WIMAの合言葉である「バイクと笑顔は世界共通語」を実感することができました。

また、今回、筆者は参加しなかったのですが、ラリー開催前に、エストニア支部の企画によりエストニア南部のキフヌ島へ行くツアーがありました。
世界無形遺産に登録されているこの島では、オートバイが女性の移動手段として昔から活用されています。
島の男性はほぼ1年中漁に出ていて、島での生活はすべて女性により営まれてきたそうです。
使用されているオートバイは、すべてソ連時代のもので、サイドカーや木箱がついています。この箱には荷物はもちろん、子供達も乗っています。
島内では、例外的にヘルメット着用義務がなく、制限速度も設けられておらず、スピードが速すぎる人がいれば、声を掛けて注意し合うのだとか。
オートバイが生活に溶け込んだ素敵な島だったそうです。

来年のラリーは、フィンランドで開催されます。

2016 インターナショナルラリー in ハンガリー

2016 International Rally in Hungary

今年のインターナショナルラリーはハンガリーで開催

WIMAではインターナショナルラリーと称するミーティングが年に1回開催され、世界中のメンバーが集まって親睦を深めます。今年は7月に、ハンガリーのエステルゴムというドナウ川が流れる町でラリーが開催されました。この町のキャンプ場が今回の会場です。テントの他にもバンガローなどがあり、日本支部のメンバー7名はバンガローとコテージに宿泊しました。

ブーツビールで乾杯!

早朝に飛行機でハンガリーに到着後、そのままバイクのレンタル店へ行き、バイクで会場に直行しました。会場にはすでに多くのメンバーが到着していて、再会を喜んでいる間にスイスの友人が生ビールを運んできてくれました。猛暑の中を走ってきた私たちは、荷物を降ろすことも忘れて、ぐびぐびと冷えたビールを堪能し、その時点でこの日のツーリングはあきらめました(笑)。ちなみに、ブーツを脱ぐ間もなく楽しむこのビールを「ブーツビール」と呼んでいます。その後、受け付けをして記念グッズなどを受け取ります。この通称”goody bag”には、支部のロゴがデザインされたグッズに加えて、ハンガリー名産のパプリカ、石鹸、そしてチェーンオイルなどのバイク用品も入っていました。

初日の夜はウェルカムパーティで、ホストであるハンガリー支部のチームがステージ上に大歓声で迎えられました。準備からラリー期間中を通して、すばらしいチームワークで取り組んでくれたハンガリー支部には心から感謝です!

ラリー期間中はイベントが盛りだくさん!

2日目に、英国と日本のメンバー7名でツーリングへ。ヴィシェグラードの要塞を訪れました。ここはドナウ川の曲がり角が一望できる名所です。のんびり見学した帰り道は、あちこちに広がるひまわり畑を眺めながら、途中には小さなボートで川を渡り、国境を越え、ツーリングを楽しみました。エステルゴムはスロバキアとの国境近くなので、ほぼ毎日国境を越えてのツーリングです。お茶目な英国人ライダーは、英国といえばティータイムということで、常にバイクにカップとソーサーを記念写真用に積んでいました!キャンプ場に戻るとスイミングプールへ直行!暑かったので、このプールも大人気でした。続いて、ローカルワインのテイスティング&バーベキューと、とても充実した1日を過ごし、疲れ知らずの私たちは、夜のダンスパーティへと突入です。また、ヨーロッパ国内をバイクで移動してきたメンバーにとっては休息日でもあり、バイクに乗らなくても楽しめるように、会場ではゲーム大会も行われていました。

3日目のメインイベントは、オリエンテーリングです。地図を頼りにポイントを巡り、各ポイントではゲームなどに挑戦します。最終ポイントの警察署では、バイク事故で命を落としたライダーのための記念碑があり、献花・献灯が行われました。ハンガリーは、オートバイライダーの受容度がとても高いことを随所に感じました。バイク駐輪場がどこにでもあり、ガソリンスタンドのトイレにヘルメット置き場が備えられていたり、バイクを停めて地図を眺めていると、必ず誰かが“May I help you?”と声をかけてくれました。

4日目は皆が楽しみにしていたパレードです!夜中から朝にかけての豪雨で実施できないのではという心配をよそに、出発直前に雨がやみ、パレードに出発することができました。白バイの先導と交通整理のおかげでブダペスト市内までノンストップのパレードです。沿道ではびっくり顔でカメラを構えるハンガリーの人々が手を振ってくれます。毎回、本当に感動する瞬間です。出発前には地元のテレビ局の取材があり、遠く日本からやってきた日本人もインタビューを受けました。また、パレード最終地点では、乳がんについての知識を広め、乳がんによる悲しみを減らすことを目指した、ピンクリボン運動への募金が行われました。

5日目はブダペストへのバスツアーが用意されていました。ブダペストはとても美しい街で「ドナウの薔薇」と讃えられるほどです。この日は、ほとんどのメンバーがバス&船での観光を楽しみましたが、ツーリングに出かけたメンバーもいました。楽しみ方は、それぞれ自由に決められるのです。夜にはフェアウェルパーティがあり、2017年にラリーを開催するエストニア支部のプレゼンテーションなどが行われました。まだ今年のラリーが終わっていないのに、すでにエストニアラリーが楽しみで期待が膨らみます。 

6日目はそれぞれ帰路につきますが、まだ旅を続けるライダーもたくさんいます。欧米の方は休暇が長くてうらやましい限りですが、日本人である筆者も、今回はもうしばらく旅をつづけました。カロチャ刺繍で有名なカロチャという町とバラトン湖をバイクでまわったあと、ブダペストに数日滞在しました。ブダペストには温泉施設がたくさんあり、地元の人も観光客ものんびり過ごしていました。ある温泉では、引き続き滞在していたメンバーと偶然に出会うこともあり、ラリーの余韻も十分に楽しむことができました。

ハンガリーは優しさで溢れた国

前述の通り、バイクであろうと徒歩であろうと、少しでも立ち止まって地図を見ると、誰かが声をかけてくれます。英語が苦手なハンガリー人でさえ助けようとしてくれます。ある時、スーパーで炭酸水を買いたくて探していると、店員さんが声をかけてくれたのですが、炭酸水をいろいろな言い方で英語で表現してもなかなか伝わらず、最終的には、日本語vsハンガリー語の会話になり、「ウォーター、ぶくぶく、シェイク、爆発」と身振り手振りを加えて伝えると、「あぁ、コーラ?」、「んー、近い!でもウォーター」と長い珍妙なやりとりの末に炭酸水をゲットできました。またある時は、トラムに乗るために案内板を見ていると、老人が行き先を尋ねてくれたので伝えると、これに乗りなさいと促してくれ、まだ切符を購入していないと言うと、ドライバーに言いなさいと言われました。とりあえず乗車してドライバーに切符を買いたいと伝えると、無言で乗れという仕草をされました。しかし車内で切符をどうやって購入するのかわからず、戸惑っていると、女性の乗客が私に回数券を1枚手渡してくれました。一言も英語は話されませんでしたが、料金はいらないという手振りで、切符をいただきました。この旅の間に声をかけてくれた人の数は数え切れません。ハンガリーは、どこに行っても美しかったのですが、それに負けじと美しいハンガリーの人の心に感動しっぱなしでした。ぜひとも見習いたい心持ちです。

来年のエストニアラリーではどんな感動が待っているのでしょうか。エストニア支部のプランを聞いただけで、また新しい経験ができることがわかり、待ちきれません!

2015 インターナショナルラリー in オーストラリア

2015 International Rally in Australia

今年は特別にオーストラリアで2度目のラリー開催

通常は年1回開催されるインターナショナルラリーですが、現在は欧州メンバーが多く、できるだけ多くのメンバーが参加できるようにとの配慮から、欧州以外でインターナショナルラリーが開催される年は2回開催されます。本誌前号でレポートした7月のスウェーデンに続いて、今回のラリー会場はオーストラリアのフィリップアイランドです。

WIMAメンバーがMotoGPTMマーシャルに!

ラリー会場にフィリップアイランドが選ばれたのは、MotoGPTM第16戦オーストラリアGPがフィリップ・アイランド・サーキットで開催されるからなのです。オーストラリア支部のメンバーは毎年数名が、レースの運営をサポートする、トラックマーシャルやフラッグマーシャルまたはメディカルマーシャルのボランティアとして活躍しています。そこで、世界のWIMAメンバーも、これに応募してはどうかという計らいだったのです。

今回多くのメンバーが担当したトラックマーシャルの任務は、コース脇に待機して、アクシデントが起こった場合にライダーが復帰するのをアシストしたり、復帰できない場合はバイクを撤去すること、また飛び散ったパーツがコース上に残らないようにすること、オイルがコース上に流れた場合にオイルの処理することなどです。

ボランティアとはいえ、レース運営にとって不可欠で危険を伴う仕事です。7月にマーシャルの申請が受理されたというレターがサーキットから届いてから、32ページに及ぶレース・マーシャル・ハンドブックを熟読して頭に叩き込む作業が始まりました。これは楽しいお勉強です。オーストラリアへ向かう飛行機の中でもWIMAメンバーは皆ハンドブックを読んでいたようです。

レース開催週の木曜日の午後にサーキットに到着したら、まずはテントの設営です。コースサイドのキャンプ場が、この週末の我が家になります。その後は、マーシャルの初心者講習として、まずは映像を使った座学で、ハンドブックの内容の中でも特に重要な点が説明されました。ここで、ハンドブックの勉強中に、コース上のゴミやパーツは、ほうきで掃くものだと思っていたら、足で蹴り出すか手で拾うというルールがあり、なぜ掃かないのだろう思っていた疑問が解けました。タイヤラバーが乗った路面を掃いてしまうと、部分的にグリップが変わってしまうので、それを防止するためだったのです。深いですね。座学の後はコースに出て実践練習です。倒れたバイクを起こし、4人1組でロープを使ってグラベル(砂利)からバイクを運び出す練習をしました。また、メディカルマーシャルのヘルプに入る可能性もあるため、ストレッチャーにライダーを乗せる練習もありました。

いよいよ金曜からワクワクドキドキの実践です。配置された場所によって忙しさは大きく違います。初日から走りっぱなしのメンバーもいましたが、幸か不幸か、私が配置された第4コーナーのイン側では一度もアクシデントがありませんでした。唯一動きがあったのは、背後にワラビーが現れたことでした。フィリップアイランドは豊かな自然の中にあり、野生動物をよく見かけます。この時は、ワラビーがコース内に入らないように見張ることがチームのミッションでした。日曜日のMotoGPTM決勝レースでは、17回目のマーシャルだというベテランの女性チームリーダーが、無線で入ってくる「イアンノーネのバイクにカモメが激突」などの細かい情報まで逐一伝えてくれたので、レース展開がとてもよく分かり、順位が目まぐるしく変わるエキサイティングなレースを間近で楽しむことができました。もちろん、レース中は緊張感があり、応援するライダーがいても、心の中で声援を送るのみでしたが、オーストラリア人のマーシャル達も、レース後は”What a race!”と興奮がなかなか冷めやりません。そして、レースが終わったコース上は表彰台へと急ぐ観客で溢れかえり、私たちマーシャルも表彰台の真下でシャンパンファイトを観ることができました。

500名を超えるマーシャルの1人としてオレンジのつなぎに身を包んで、忘れられない体験ができ、特別な形でMotoGPTMを満喫することができたのは、WIMAの仲間がいたからこそです。心から満足した週末でしたが、さらにもう1週間、別の楽しみが待っていました。WIMAのインタナショナルラリーが翌日から始まるのです!

WIMAインターナショナルラリー

ラリー会場は、サーキットから北へ約2キロの距離にある宿泊施設です。2キロといっても、その間は草原なので、お隣という感じです。まず、私たち海外メンバーは、レンタルバイク店があるメルボルンまでメンバーの車で向かいました。レンタル店では早速、日本をはじめ色々な国から来たメンバーと遭遇です。オランダとスウェーデンの友人と約2時間のツーリングを楽しみながら、ラリー会場に到着です。

ラリー参加者は、日本人9名を含む75名です。欧州メンバーは、オーストラリアに来るのにとても時間がかかるため何度も来るのは無理だからと、3カ月も旅をする人が多くいます。オーストラリアは10月が春にあたりますが、春から夏まで過ごすという感じですね。

2日目に、私たち日本人は、限られた滞在期間を最大限まで楽しもうと欲張って、有名なグレートオーシャンロードまで走りました。でも、全長約250キロのグレートオーシャンロードに往復の距離をプラスすると、全部を走破することは無理なので、残念ながら少しだけ垣間見たという感じです。それでも1日で約550キロのツーリングでした。この日の夜には各国出し物大会があり、ツーリングの疲れも何のその、日本支部は英語版の妖怪ウォッチダンスを披露して、会場は爆笑の渦となりました。

ラリー期間中は、連日お勧めのツーリングコースが用意されていました。ツーリングの目的地として行ったヒールズヴィル・サンクチュアリは、オーストラリア特有の動物が勢ぞろいで、野生動物の病院も併設されており、動物の自然な姿を見ることができました。翌日はウィルソンズ・プロモントリー国立公園に向かいましたが、島を出て、海岸線、丘陵地、ワインディングと、次々に楽しい道が続きます。この国立公園では野生動物の姿をたくさん目にしました。また島内でも、動物園や岬をまわりながらのツーリングをのんびり楽しむことができました。どこに行っても交通量が少なく、一般道でも制限速度100キロで快適に走れますが、動物の飛び出しだけは注意しなければなりません。自然保護区がたくさんあり、美しい景色が目の前に広がり、ヘルメットの中がマイナスイオンで満たされているかのような気がしました。

フィリップアイランドでは、同じく自然保護区に住む野生の世界一小さいフェアリーペンギンたちが日没になると次々にグループごとに海から上がってきて巣に戻るために、よちよち行進する姿が見られます。これがペンギンパレードと呼ばれていてとても人気があります。私たちが訪れた日は2142羽が確認され、思わず笑顔になってしまうほど可愛らしい姿でした。

そしてペンギン達に負けじとWIMAもパレードを行いました。パレードはラリー中、メンバーがとても楽しみにしているイベントで、いつも国旗などでバイクを飾り付けて出発します。島内のカウズという町は、小さいものの、サーキットがある島だけにモータースポーツが愛されているのか、パレードの隊列が通ると多くの沿道の人たちが手を振ってくれました。

ラリーの締めくくりは、フェアウェルパーティです。次の朝に実際にお別れをするのは寂しい瞬間なのですが、前日の夜は楽しかった1週間を振り返って笑いが絶えません。また、WIMAが現在チャリティ活動として協力している、Motorcycle Outreach(MoR)への募金がパーティ中に行われ、256.20ドルが集まりました。MoRは、発展途上国の十分な医療が受けられない地域の人々に“バイクで医療を届ける”ことを目的とした運動です。とくに郊外において、ワクチン接種、乳幼児の栄養、マラリアやデング熱の治療、母親の健康に関する知識不足は深刻な問題であるにもかかわらず、これらを届けるために必要なトレーニングやバイク自体が不十分で、それに対する十分な財政予算が割り当てられていないのです。メンテナンス不足で故障したバイクがあっても、修理費用が高額でバイクは放置されたままになります。社会貢献活動にも、バイクにも、パーティにも、ばか騒ぎにも、全力で取り組むのがWIMAなのです。

今回は、インタナショナルラリーとしては参加者数が少なめだったため、いつもに増してアットホームな雰囲気でした。また、2010年に日本ラリーに参加したメンバーが多かったため、朝の洗面台では「オハヨーゴザイマス」と挨拶してくれる人が多くて、一瞬自分はどこにいるんだろうと思ってしまいました。WIMAのメンバ間のコミュニケーションでは「バイクと笑顔が共通語」なのですが、「今日は楽しかった?」と英語で質問された英語が苦手な日本人が、「すごくきれいな道」「走って」「超気持ちよかった~」と完全な日本語と大きなジェスチャーで答えると、「オー、グレイト!」と、なぜか伝わっているという不思議な光景も見られました。来年のハンガリーでのラリーが今から楽しみです!

2015 インターナショナルラリー in スウェーデン

2015 International Rally in Sweden

インターナショナルラリー(国際ミーティング)とは

WIMAではインターナショナルラリーと呼ばれる国際ミーティングが基本的に年に1回開催されます。このミーティングは、加盟支部が持ち回りでホスト国となり、約1週間、会場で一緒に滞在しながらツーリング、ゲーム、パーティを企画し、世界中のメンバーが一堂に会して交流を楽しむものです。1週間の宿泊とパーティを含む参加費は各ホスト国の努力で毎年3万円前後に抑えられています。

2010年の春には、日本支部が初めてホストを務めるインターナショナルラリーが開催され、国内外の支部から258名が参加しました。会場は静岡県富士宮市で、美しい富士山を目の前にツーリングができたのはもちろんのこと、日本文化を体験できるイベントが用意されました。イベントは、盆踊り、抹茶の野点、七宝焼き、着物試着、風呂敷教室、やぶさめ祭り、和太鼓や琴の演奏、トライアルやジムカーナのデモ、女性白バイ隊員の先導によるパレードなど、数えきれないほどありました。メンバーからは「日本に来てよかった」「これまでで最高のWIMAラリーだったよ」というねぎらいの言葉をもらうことができました。次回の日本での開催も楽しみにされています。

今回のラリー会場は湖畔のキャンプ場

今年はスウェーデンでの開催

・海外からどうやって参加するの?

今年のホスト国はスウェーデンでした。南部のSundetという町にある湖畔のキャンプ場がラリー会場です。

ヨーロッパのメンバーは、ほとんどが自分のバイクで走ってきますが、アメリカ、オセアニア、そしてアジアのメンバーは、ほとんどが現地でバイクをレンタルします。現在ではインターネットのお蔭でレンタル店との連絡もそれほど難しくありません。ラリーから半年くらい前には、ホスト国から各国の支部に参加案内が届くので、それをもとに、航空券の手配やレンタルバイクの確保などを各自で行ないますが、初参加のメンバーも経験のあるメンバーに相談しながらできるので安心です。

レンタルバイクが確保できたら、バイクを借りるまでの交通手段や会場までのルートを確認します。今は、レンタルバイクと一緒にナビをレンタルできることもありますが、ナビだけに頼っていくのは不安なこともあります。確かに便利なのですが、ナビ本体の故障や充電トラブルなどの可能性があるので、ナビを使う予定の場合でも、必ず紙の地図を入手したり、オンラインマップをプリントアウトしたりして、万一に備えます。

パスポート、日本の免許と国際免許、クレジットカード、そしてライディングギアが必需品。飛行機の荷物の重量制限などもあるので、着替えなどは洗濯を覚悟して、極力コンパクトにまとめます。荷物はだいたいスーツケース1個分プラス手荷物のヘルメットという感じです。

いざ、スウェーデンへ

スウェーデンに到着後、いよいよレンタルバイク店でバイクのピックアップです。バイクに荷物を積み込んだ後、空になったスーツケースをあずかってくれるレンタル店が多いので、これは助かります。もしくは、コンパクトなキャリー(コロコロ)にバイク用の大型積載バッグを積んでスーツケース代わりに持っていくと、そのままバイクに積載できるのでこれも便利です。ラリー会場まで直行するメンバーもいれば、数日ツーリングを楽しみながら会場を目指すメンバーもおり、楽しみ方はさまざまです。

今回は、日本人メンバーの1人が、ドイツでバイクを借りて、約1,000kmの距離をアウトバーン、下道、フェリーを使って3日間かけて会場に向かいました。アウトバーンはご存知の通り速度制限がない(制限区域はある)高速道路ですが、ドライバーは非常にマナーよく走っています。3車線あれば、当然ながら遅い車から順に右(約120 km/h)、中央(約140 km/h)、左レーン(140 km以上または追い越し)と自分の速度を見極めて綺麗に分かれており、追い越す際には左レーンに出ますが、すぐに自分の速度レーンに戻ります。遅い車が追い越し車線をずっと走行しているというようなことはありません。また、カーブも緩やかで路面もきれいなので、高速でもとても走りやすく作られています。一番左の最速レーンをたまにビューンと走り去っていくのは、フェラーリやポルシェなどのスーパーカーで、ほとんどの車が各自の安全速度で安定して走っていて、燃費のいい走行を意識してのことかも知れませんが、速度制限がないからといって全車が“ビューン”ではないのですね。

ラリー会場到着

さて、ラリーに話を戻しましょう。会場が近付くと、“WIMA”と書かれた道案内の立札などが見付かります。これが何ともいえない安心感に包まれる瞬間なのです。会場に入って行くと、懐かしい顔も初めての顔も、みんなが笑顔で迎えてくれます。キャンプ用品を持参すると荷物が大きくなるため、会場に宿泊施設が併設されている場合には、ほとんどの日本人は宿泊施設を利用します。しかし、今回のキャンプ場には宿泊手段がテント以外にありません。そこで、ホスト国の計らいでテント・シュラフ・マットのセットが格安で手配され、一部の日本人メンバーはこれを利用しました。使用後のグッズは持ち帰ってもOKですが、スウェーデンのメンバーの1人が学校の先生なので、そこで活用してもらえることになり、寄付をするという選択肢もありました。テントを設営したら受け付けをすませ、1週間のプログラムを入手して、それぞれに予定を考えます。大まかなスケジュールは組まれていますが、どのように楽しむかは、まったく自由なのです。

笑いの絶えない1週間

初日のプログラムの目玉は、ウェルカムパーティです。ホスト国のスタッフや参加各国が紹介され、参加者230名がそろってディナーを楽しんだ後は、ライブバンドとともに夜遅くまで踊ったりしゃべったり、すでに楽しさがマックスです。

ホスト国のメンバーが用意してくれるバーは毎日オープンしていて、バイクに乗らない日も退屈することはありません。ヨーロッパを横断して会場に到着するメンバーもいるので、バイクに乗らずに芝生の上でのんびりすごすということもあるのです。ほかには、4名1組でチームを作って競い合う、見てる人の笑いを誘うようなゲーム大会や、全員でのパレードがありました。誘い合ってツーリングに出かけることもあります。

ラリーのメインイベントでもあるパレードは、目の前にもミラーにも映る延々と続く女性ライダーの長い隊列が本当に壮観で感激します。このパレードの最終地点は、大きなカフェのあるキャンプ場でしたが、到着すると沢山のライダーがカメラを構えて私たちの隊列を迎えてくれました。この場所は、毎週木曜日にライダーが集まる場所になっており、毎週数百台のバイクが立ち寄るらしいのです。今回は、事前にWIMAが来るというアナウンスを行なうことで、これまでの最高記録890台を超える記録に挑戦していたのですが、1,122台の新記録を達成し、実際にはそれ以上の台数がいたけれども、数え切れなかったとのことでした。バイクの種類も多種多様でクラッシックバイクも多く見られました。

会場近辺のツーリングでは、スウェーデンの美しい自然が満喫できました。スウェーデンの面積は日本より広いのですが人口は日本の約12分の1で、人口密度は約19分の1程度なのです。そのため、都市部は別として、郊外では小さな町をすぎて草原や湖畔を走り抜けて、また小さな町をすぎ、その間に信号なしという、気持ちのいいツーリングができます。

予定されていたプログラム以外にも、世界を旅するメンバーが、インドのツーリングレポートのプレゼンテーションを用意して、経験談をおもしろおかしく話してくれました。これもWIMAならではです。

ラリーの1週間は瞬く間にすぎていきます。フェアウェルパーティでは来年開催されるハンガリーラリーの紹介があり、そこでの再会を願って、それぞれの帰路につきます。長い夏季休暇を取ることができる海外メンバーのなかには、ラリー前後合わせて1ヶ月もバイクで旅を続ける人もいます。今回のラリーの参加者は年齢20代から70代と幅広く、母娘でWIMAメンバーとして参加している人もいます。「もういい歳だから…」なんていう言葉はまったく聞かれません。多くのタフな女性に出会えるWIMAですが、もちろん、日本支部の会員のなかにも負けないくらいタフな女性が沢山いますよ。

チャリティ活動

WIMAではつねにチャリティー活動を行なっています。現在は、Motorcycle Outreach(MoR)と呼ばれる運動に協力しています。MoRは、発展途上国の十分な医療が受けられない地域の人々に“バイクで医療を届ける”ことを目的とした運動です。とくに郊外において、ワクチン接種、乳幼児の栄養、マラリアやデング熱の治療、母親の健康に関する知識不足は深刻な問題であるにもかかわらず、これらを届けるために必要なトレーニングやバイク自体が不十分で、それに対する十分な財政予算が割り当てられていないのです。メンテナンス不足で故障したバイクがあっても、修理費用が高額でバイクは放置されたままになります。2014年のWIMAの各支部代表者会議でMoRへの協力が決定し、”Build A Bike(バイクを贈ろう)”というスローガンのもとにイギリス支部が先頭に立って活動を進めてきました。MoRによると6,000ポンド(約117万円)で、1台のバイク購入、ライダー(医療従事者や助産婦)が悪路を安全に走行するためのトレーニング、3年間のメンテナンス費用が賄えるということなので、まずは6,000ポンドを募金活動によってを集めることを目標にしてきました。今回のラリー期間中にも、チャリティーオークションや募金が行なわれ、これまでの募金と合わせて6,000ポンドを達成したのです。今後も次の”Build A Bike”に向けて協力していく予定です。なお、この活動は個人で支援することも可能です。

http://www.motorcycleoutreach.org/

また、ホスト国のスウェーデン支部は、抽選で賞品が当たる番号くじ等の販売による収益のすべて1万スウェーデンクローナ(約15万円)をがん基金に寄付しました。

バイクと笑顔が共通語

日本支部のメンバーが全員外国語を話せるわけではありません。また、海外のメンバーも全員英語や日本語を話せるわけでもありません。バイクと笑顔が共通語なのです。今回参加した日本人メンバーの1人は、それに加えて得意なマッサージでコミュニケーションをとっていました。興味はあるけど、自信がないと感じられている方、一歩踏み出す勇気とちょっとした努力で、さらにバイクでの楽しみが広がるのでは?!